社長コラム

パンツについて

2022.02.25

パンツを履いていない人はいない。女性のことは知らないが、男性の場合、ブリーフかトランクス、最近多いのはボクサーパンツだろうか、いずれにしても何かしらパンツ、あるいはパンツ的なものを履いているはずである。パンツ的なもの、と言ったのはパンツ以外のものもあるからである。代表は褌だろう。何を隠そう、私の父は褌派だった。六尺褌と呼ばれるオーソドックスなタイプだったが、母が縫っていた。愛妻弁当ならぬ愛妻褌である。褌について父は、「ハンカチを忘れた時、前垂れの部分で手を拭けばいいので便利だ」と言っていた。これについては皆さん、本気にしないでいただきたい。汗かきな父のポケットには必ずハンカチが入っていたので。
男にとって、どのタイプのパンツを着用するか、は単なる嗜好ではない。主義というべきだろう。「パンツだったら何でも履きます」という人を私は知らない。なぜ主義なのか、トランクスは中でふらふらするが、ブリーフ、ボクサーパンツはふらふらしない。ふらふらが好きか嫌いか、いや、許せるか許せないか、この点について、男は妥協できないのだと思う。ちなみに私はトランクス派である。
なんとなくだが、ふらふらしている、というか適当な人はトランクス、きちっとしている人はブリーフ、ボクサーパンツを履いているように思う。名は体を表すというが、パンツも体を表すのではないだろうか。
ブリーフ、ボクサーパンツは前後が明らかに違うので間違える人はいないと思うが、トランクスは前の布と後ろの布を縫い合わせたような物なので、ごく稀に間違えてしまうことがある。トランクスを愛用している人はわかると思うが、愛用していない人はわからないかもしれないが、それで問題が発生しないのはトランクスの利点である。
さて今回は、パンツと言ってもズボンの話である。昨年の暮れ、厚手のリネンのパンツを手に入れた。みっちりした生地の厚さ、暖かいのにさらりとしたリネン特有の肌触り。良いものを身につけている満足感が下半身を包む。デザインは前後の生地を両側でゆったりと縫い合わせた形で、脇のポケットはあるが尻のポケットはなく、前のチャックもないので前後がわかりにくい。しかし、本人がわかりにくいということは周りもわかりにくいということなので、前後など気にせず着用してもよいかもしれない。
というのは冗談で、それなりに注意して履いていたのだがある日、帰宅して風呂に入るべくパンツを脱ごうとしたら前側のゴムから下の部分がふんわりと膨らんでいる。お尻を見るとすっとしている。後ろ前だ。ズボンを後ろ前に履いて一日過ごしてしまった。人間、これ以上の失敗はないのではないか。最近ボケを指摘されることもあるのでショックを受けたが、家族や社員を含め、その日出会ったすべての人に気付かれなかったので実害はない。よかった。ばれていたら明日はなかった。それながら、落ち着いて考えてみると、誰も自分の前にいる人がズボンを後ろ前に履いているとは思わないだろう。思っていないからわからないのだ。思い込みに救われたということか。
今回はたまたま事なきを得た。もうこういうことはないと思うが、上でも下でも後ろ前には気をつけた方が良い。この歳になると、一回なら間違いで切り抜けられるが、度々となるとボケを疑われてしまう。いや、度々となったら本当のボケであろう。私は一回やってしまって、言わなければよかったものをここで公表してしまったので「やや不安」くらいの判定を甘んじて受けることになった、と思われる。以後気を付けたい。

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