| 木桶仕込み復活 |
その昔、酒は桶でつくられていたんだと。 でも戦争が終わってしばらくたつと、蔵にホーロータンクがやって来て、桶は漬物屋へ売られちまった、と。 それで、もう誰も思い出さなくなっちまったんだとさ。 ・・・それから50年もたったある日、台風娘のセーラが言った、と。 「ここらで昔に戻ってみない?」 お調子者の澤乃井はすぐに乗せられて裏山の杉伐って、のこで引いて、桶を作った、と。 できた桶はそれは立派なもんだった、と。 でも、桶屋さんは「すぐには使えないぞ」と言って帰っちまった、と。 確かに杜氏が何回もアク取りしても、お湯はすぐに赤くなってしまうんだと。 あきらめて、ある朝、酒を仕込むと、昔のとおり生もとで仕込むと不思議なことにバナナの香りがしたんだと。 |
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